溶連菌感染症とは?
「溶連菌感染症」は、主にA群β溶血性連鎖球菌という細菌によって起こるのどの感染症です。特に幼児から学童期にかけて多く見られます。抗生物質でしっかり治療すれば回復しますが、放置すると腎炎やリウマチ熱などの合併症の可能性もあります。
主な症状
- のどの強い痛み
- 発熱(38〜39℃)
- 首のリンパの腫れ
- 全身の赤い発疹(猩紅熱)
- 舌の赤み(イチゴ舌)
- 吐き気、腹痛、頭痛などを伴うことも
※風邪とは異なり、咳や鼻水が目立たないのが特徴です。
原因と感染経路
原因菌
A群β溶血性連鎖球菌(GAS)
感染経路
- 飛沫感染(咳・くしゃみ)
- 接触感染(手指やおもちゃなど)
※感染力が強く、兄弟や園・学校内で集団感染することもあります。
診断と検査
- のどの所見(赤み・白苔など)を確認
- 必要に応じて、迅速溶連菌検査を実施(綿棒でのどをこすって検出)
治療法
- 抗生剤(ペニシリン系やセフェム系)を10日間しっかり服用
- 解熱剤や鎮痛剤で症状を和らげる
- 水分や栄養を補いながら安静に
※処方された抗生剤は、症状が軽くなっても自己判断で中止せず、最後まで飲み切ることが大切です。
自宅でのケア
- のどの痛みが強い場合は、冷たい飲み物やプリン・ゼリーなどを
- 安静にして睡眠を十分にとる
- コップやタオルの共用を避け、家族間でも感染対策を
登園・登校の目安は?
登園・登校してよいとされる状態
- 抗生剤内服後、24時間以上経過し
- 発熱・のどの痛みなどの症状が改善してきた
- 全身状態が良好である
※登園許可証が必要な場合は、当院で発行可能です。
当院での対応
当院では、症状に応じて迅速検査を行い、正確に診断します。抗生剤の処方や服薬指導、登園許可証の発行も対応可能です。
兄弟間・クラス内感染が疑われる場合などもお気軽にご相談ください。
よくある質問(Q&A)
Q.溶連菌はうがいで予防できますか?
A.完全な予防は難しいですが、手洗い・うがい・マスクの着用は有効です。
Q.抗生剤を途中でやめるとどうなりますか?
A.症状が再発するだけでなく、急性腎炎やリウマチ熱などの合併症リスクが高まります。
Q.家族にうつる確率は高いですか?
A.接触が多い家庭内では感染しやすいため、タオルや箸の共用を避け、感染対策を徹底しましょう。